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飲食店の衛生管理重要ポイント12選!ひどいと通報される?

 

「どうして飲食店は衛生管理しなくてはいけないの?」「飲食店で衛生管理できていないと通報される?」と気になる飲食店関係者の方も多いのではないでしょうか。国際的な衛生管理手法である「HACCP(ハサップ)」が2020年6月に義務化されたことを受け、食品を扱う事業者には、より徹底した衛生管理が求められるようになりました。しかし、「具体的にどのように衛生管理をすればいいかわからない」という人は少なくありません。そこで今回の記事では、「飲食店で衛生管理が必要な理由」や、「飲食店が衛生管理を行うメリット」「衛生管理をする際の重要なポイント」について解説します。

Point1 飲食店で衛生管理はなぜ必要?

飲食店で衛生管理が求められるのはどうしてでしょうか?以下で、飲食店で衛生管理が必要な理由を紹介します。

HACCP(ハサップ)への対応が義務化されている

2020年6月1日から、日本でHACCP(ハサップ)への対応が義務化されました。

HACCP とは、「Hazard Analysis and Critical Control Point(危害分析重要管理点)」の略称で、食品の安全を確保することを目的とした国際的な衛生管理手法です。

食品加工工場や飲食店、スーパーマーケットなどの食品を扱う業種には、HACCPに則って衛生管理を行うことが求められます。

同制度に違反した場合、改善指導が行われ、改善が見られない場合は営業停止などの行政処分が下されます。

もし行政処分に従わず営業を続けた場合は、食品衛生法に基づいて「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」が課せられることがあるため、食品を扱う事業者はHACCPに対応することが必要です。

HACCPについての情報は、以下の記事で詳しく解説しています。

保健所の立ち入り検査がある

飲食店で衛生管理が求められる理由として、「保健所の立ち入り検査」が挙げられるでしょう。

飲食店を開業する場合、基本的に保健所から「飲食店営業許可」を取得する必要があります。しかし、衛生管理が不十分と判断されると、飲食店営業許可がおりずに飲食店を開業することはできません。

これに加えて、飲食店の管理体制や設備に問題がないかを確認するため、保健所が立ち入り検査を行うことがあります。

これらの指導には法的拘束力はありませんが、不利益処分、または書面による行政指導を行った場合に一般公表されるため、お店のイメージが悪くなってしまうことがあります。

こういった事態を防ぐためにも、行政指導に従い、お店の管理を徹底することが重要なのです。

衛生管理がひどいと通報されるケースもある

衛生管理がひどいと「通報される可能性がある」ことも、飲食店で衛生管理が求められる理由の一つです。
具体的には、食べ物に髪の毛やホコリなどの異物が混入していたり、食中毒の疑いがあったりする場合は、通報される可能性があります。
飲食店が通報されてしまうと、保健所が立ち入り調査を実施し、結果によっては営業停止処分となってしまうことがあるのです。
こういった事態を防ぐためにも、顧客が快適に食事できるように、店内の衛生管理を徹底する必要があります。

Point2 飲食店が衛生管理を行うメリット

それでは、飲食店が衛生管理を行うことでどのようなメリットを得られるのでしょうか?

異物混入や食中毒を未然に防ぐことができる

飲食店が衛生管理を行うメリットとして、異物混入や食中毒を未然に防ぐことができる点が考えられるでしょう。

先ほど説明したHACCPの考え方を参考にした衛生管理を実施すれば、顧客に食事を提供する前に問題がないか気づきやすくなるためです。

例えば、冷蔵庫の温度が正常でないことが確認できれば、その食材を破棄するなどして未然に問題を防ぐことができます。

異物混入や食中毒があった場合は通報されてしまうことがあるため、問題を未然に防ぐことは飲食店経営を継続する上でも重要なのです。

顧客からの印象が良くなりリピートにつながる

顧客からの印象が良くなりリピートにつながる点も、飲食店が衛生管理を行うメリットの一つです。
顧客が店内で快適に過ごすことができれば、顧客満足度が高まり、飲食店に対するイメージが向上します。逆にお店が不潔だと顧客は「二度と来たくない」「低評価のレビューをつけよう」と感じてしまいます。
そうなると、顧客が定着せずにお店の売上を伸ばすことができません。

問題が起こった工程をすぐに発見できる

衛生管理を徹底することで、問題が起こった工程をすぐに発見できるようになります。例えば、飲食店において以下の衛生管理項目が設けられているとします。

 ● 従業員の服装・健康確認

 ● 原材料の受入確認

 ● 店内の点検

 ● 冷蔵・冷凍庫の温度確認

 ● 調理機器の点検

 ● トイレの点検

このように管理項目が明確になっていれば、問題が生じた際に原因を解明しやすくなるため、問題に対して迅速に対応できるようになるのです。

Point3 【保健所検査への準備】衛生管理をする際の重要なポイント12選

ここでは、衛生管理をする際の重要なポイントを紹介します。

1.食材を適切に管理し保管する

まず、飲食店は食材を適切に管理し保管できているかを確認しましょう。食材を適切に管理できていないと、食中毒などのリスクが高まるためです。

具体的には、食材の温度管理、賞味期限・消費期限の確認、先入れ先出しなどができているかをチェックしてください。
ちなみに、先入れ先出しとは「古いものから順番に出していく」ことです。先入れ先出しができるように食材の管理方法も工夫する必要があります。

2.厨房の冷蔵庫・冷凍庫の温度管理を行う

飲食店の衛生管理において、厨房の冷蔵庫・冷凍庫の温度管理を行うことも重要です。
冷蔵庫・冷凍庫に異常があった場合、食材の管理状態に問題があると判断できるため、未然にトラブルが起きるのを防ぐことができます。

例えば、冷蔵庫・冷凍庫ごとに温度チェック表を設置すると良いでしょう。さらに、あらかじめ温度を確認する時間を設定しておけば、温度確認を習慣化させることができます。

3.器具・設備を定期的に清掃する

飲食店の衛生管理においては、器具・設備を定期的に清掃することが求められます。
器具・設備が清潔に保てていないと、細菌が発生するなどの問題が生じやすくなるためです。

例えば、調理器具は作業前と作業後に消毒するなどして、食品が汚染されるのを防ぎましょう。
他にも、グリストラップなどの厨房設備を清掃したり、トイレ清掃なども定期的に実施したりすることが大切です。

以下の記事では、飲食店のトイレを清潔に保つ方法について解説しています。

4.衛生面に関する研修を従業員に行う

飲食店の衛生管理項目には、衛生面に関する研修を従業員に行うことも含まれます。

いくら経営層が衛生管理意識を持っていたとしても、現場でサービスを提供する従業員が衛生管理意識を持てていなければ意味がありません。
衛生管理に必要な作業を覚えるまでテストを繰り返したり、従業員の身だしなみを定期的にチェックしたりすることで衛生管理意識を高めていきましょう。

ただ、タスクとして衛生管理に必要な作業を教えるのではなく、衛生管理が必要な理由や、衛生管理ができていないと発生するリスクについても教育することが重要です。

5.調理担当者の手洗いと消毒を徹底する

飲食店における衛生管理を向上させたい人は、調理担当者の手洗いと消毒を徹底させると良いでしょう。
調理担当者の手が不潔な状態だと、食中毒が発生するリスクが高まるためです。仕事前やトイレ後などは必ず手洗いさせるようにしてください。

さらに、爪が伸びすぎていないか、制服は正しく着用できているか、髪の毛が長い場合はまとめられているかなど、細かく確認することが大切です。

6.定期的に害虫駆除をする

店内を清潔に保つためには、定期的に害虫駆除をすることをおすすめします。
ゴキブリなどの害虫がいた場合、お店のイメージが下がってしまうだけでなく、保健所に通報されてしまう可能性があるためです。

HACCPでは、年に2回以上はねずみ・昆虫の駆除作業、もしくは定期的な生息調査等に基づく防除措置を実施することが求められています。
専門業者等に依頼して、店内に害虫がいない状態をキープしましょう。

7.検便を定期的に行う

検便を定期的に行うことも、飲食店における重要な衛生管理の一つです。
月に一回など定期的に検便を実施することで、「健康保菌者(病原菌やウイルスに感染しているが、症状が出ない人)」を見つけることができます。

健康保菌者が調理器具や食材に触れたり、周りの人に感染させたりすると、食中毒のリスクが高まってしまいます。
こういった事態を防ぐためにも、飲食店には定期的に検便を実施することが求められるのです。

8.顧客の体調不良時の対応策を決める

飲食店の衛生管理では、未然に問題を防ぐことも重要ですが、問題が生じた時にどのように対応するかを確認しておくことも重要と言えます。
事前に対応マニュアルで対応方法を決めておけば、顧客が嘔吐した時などでも感染が拡大しないように迅速に対応できるためです。

すぐに対応できるように使い捨てのエプロン、マスク、手袋を常備したり、消毒用の次亜塩素酸ナトリウムを用意したりするなどして、対策を練りましょう。

9.シンクは作業工程ごとに分ける

飲食店の衛生管理項目の一つに、シンクを作業工程ごとに分けることが挙げられます。
原則として「食材を洗うためのシンク」と「食器や調理器具を洗うためのシンク」の2つに分けるようにしましょう。

食材を洗った後にシンクが汚染された場合、同じシンクを使用していると食器や調理器具にまで汚染が広がる可能性があります。
シンクの近くに用途を明記するなどして、従業員もわかりやすく使用できるように工夫しましょう。

10.従業員の健康管理を行う

従業員の健康管理を行うことも、飲食店における重要な衛生管理項目の一つでしょう。
従業員が食中毒にかかっていたり、ウイルス感染していたりする場合、二次感染を防ぐ必要があるためです。

具体的には、出勤前に健康チェックを実施して、体調不良の場合は休ませるなどすると良いでしょう。
さらに、手に切り傷がある場合は直接食材を触らせないように注意しましょう。

11.チェック表など衛生管理マニュアルを作成し活用する

飲食店における衛生管理を徹底するために、チェック表など衛生管理マニュアルを作成することをおすすめします。
チェック表を用いることで、衛生管理に必要なタスクが日々実行できているかを日々確認することができます。

また、HACCPの考え方を参考にした衛生管理を実施するために、以下の資料などを参考にして衛生管理マニュアルを作成すると良いでしょう。なお、チェック欄を設ければ、従業員が確認したかを可視化することができます。

12.食品衛生責任者の資格を有する責任者を配置する

飲食店における衛生管理においては、食品衛生責任者の資格を有する責任者を配置することが求められます。

飲食店を含め衛生管理が必要な事業を行う場合には、食品衛生責任者を設置することが義務付けられているので注意してください。
同資格を取得するためには、各都道府県が実施している講習に参加する必要があります。

衛生管理に取り組むならDUSKIN(ダスキン)がおすすめ

今回の記事では、「飲食店で衛生管理が必要な理由」や、「飲食店が衛生管理を行うメリット」「衛生管理をする際の重要なポイント」について解説しました。

飲食店は衛生管理を徹底することで、大きな問題を未然に防ぐことができるだけでなく、顧客からの信頼を得ることができます。

しかし、いざ衛生管理に取り組もうと考えるものの何から手をつければ良いのかがわからない方も多いのではないでしょうか。

そのような方にはDUSKIN(ダスキン)を利用することをおすすめします。

DUSKIN(ダスキン)では、各飲食店の衛生管理をサポートするための商品・サービスを提供しています。

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これから衛生管理に本格的に取り組みたいと考えるものの具体的に何をすれば良いのかがわからないという方は、以下より詳しい商品・サービス内容を確認してみてください。

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